WORK
日本相撲協会 阿武松部屋
阿武松部屋の反物デザイン誕生までの歩み
阿武松部屋の公式サイトの制作に携わったのは2020年。初めて反物デザインの依頼をいただけたのもこの年でした。ユーモアなデザインから先代を連想させるデザインまで、数々の提案をしてきました。しかし、なかなか決定には至りませんでした。色へのこだわりや大相撲にまつわる要素を、一つずつ見直していきました。まず最初にたどり着いたのは、情熱の赤でした。
繁栄の象徴としての反物デザイン
縁起物であるお米をデザインに取り入れた理由は、豊かに実らせたいという願いからです。日本文化において、お米は豊かさや繁栄の象徴であり、その意味を込めてデザインに反映させることにしました。
当初は、阿武松部屋の名前を「王の待つ部屋」と文字って、お米の部分を「王冠」にするというアイデアもありました。これは、王室の威厳と品格を持たせることで、部屋全体の高貴な雰囲気を演出する狙いがありました。しかし、改めて仕上がりを見てみると、お米の方が阿武松部屋の温かみや伝統をよりよく表現していることに気づきました。お米にして良かったと安堵したのはここだけの話です。
最終的に、お米のデザインはそのまま採用され、その豊かな象徴性が多くの人々に伝わることとなりました。これにより、阿武松部屋の反物デザインは、ただの装飾品ではなく、深い意味と願いを込めたものとして誕生しました。